最近「LGBT」や「ジェンダー」という言葉を耳にする機会が多くなりましたね。
私たちも「オールジェンダー」トイレの普及に伴って「オールジェンダー向けピクトってありますか?」というお問い合わせを」いただくことも増えてきました。
今回の知恵袋では、サインに関わる「性別」をテーマにしたいと思います!
以前の知恵袋記事もcheck!↓
目次
- LGBTとは
- 性別の4つの尺度
- だれでもトイレ
- フジタのピクト
- まとめ
1,LGBTとは
LGBTとは・・・レズビアン(女性の同性愛者)、ゲイ(男性の同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)の英語の頭文字をとった言葉。
この4つの頭文字に加えて、A(アセクシャル/無性愛者/恋愛感情や性的欲求を持たない)やQ(Questioning/クエスチョニング/まだ決めていない・わからない)などなど性的少数者といっても様々です・・・。
LGBT以外の方も含めた意味を持つLGBTQやLGBTsという言葉もあります^^
2,性別の4つの尺度
では「性別」とはいくつあると分類されるでしょうか。
色が無限にあるように、性別もグラデーションになっていると言われています。
1、身体的性別(Sex)
男性・女性・それ以外
2、心の性別/性自認(Gender Identity)
男性・女性・それ以外
3、社会的性別/行動・態度的性別(Gender)
男性・女性・それ以外
4、好きになる相手の性別/性指向(Sexual Orientation )
男性が好きか・女性が好きか・それ以外
どの尺度も男性・女性と2分化するものではなく、どちらでもない人がいます。
SOGI(ソジ)という言葉も使われることがあります。
SOGIとは・・・(Sexual Orientation and Gender Identity、性指向とアイデンティティ)の頭文字をとった言葉。
LGBTsという言葉が「当事者」と「そうじゃない人」に2分してしまうのに対し、SOGIは誰もが持っている「属性」を指す言葉です。なので、「その人の持つSOGIにかかわらず平等に扱いましょう」という使い方がされます。
3,多機能トイレは「だれでもトイレ」
2016年にニューヨーク市では1人用のトイレを全て「ジェンダーニュートラル(オールジェンダー向け)トイレにする」として法律改正が行われました。
日本ではオールジェンダートイレを設置することを定めた法律はありませんが、学校現場や企業でオールジェンダートイレの設置が進んできています。
2015年にパートナーシップ条例が実施されている渋谷区のドン・キホーテでもオールジェンダートイレが設置され、報道でも取り上げられました。
↓日経新聞のオールジェンダートイレを導入した学校の記事もよければどうぞ。
トイレ作りのポイント
大切なのは使った時のプライバシーが守られることですね。
せっかくオールジェンダー向けトイレが設置されても、場所や作りによっては使いにくくなってこともあります。
入ったところが見えない
見た目の性別と異なるトイレを使っているところを見られて、「なんで男(女)なのに女(男)性トイレ入るの?」なんて友達に言われちゃったら・・・なかなか使えないですよね。
先に紹介した日経新聞の記事で「廊下から前室を経て各トイレに入る設計で、廊下からは児童がどのトイレに入ったか見えない。」という配慮が紹介されていて、なるほどと思いました。
設置されたトイレの利用者が多いかどうかも関わりますが、前室を設けて廊下から簡単には見えないというのは結構重要じゃないかなと思います。
見られても大丈夫
オールジェンダー向け、性的マイノリティ向けのトイレ問題がまだまだ認識されていない中で、「オールジェンダー向けトイレ」が設置されてることで当事者を励ます部分もあるかもしれません。
しかし、あまりにピクトサインが目立っていたり、用途をLGBT向けに限定していて「このトイレから出てきたってことはトランスジェンダーなんだ」と入った時点でわかってしまったら・・・なかなか使えないですよね。
解放のシンボルである虹色などもデザイン的にはポジティブですが使いにくくなる事もあります。
あとでフジタのピクトもご紹介しますが、用途にあったものをお選びください♪
フジタは工事が進んだ後の表示の部分しか関われませんが、設計をお仕事とされている方はポイントとしてみてください。
多目的トイレについてぜひ知っておいていただきたいこと
多目的トイレは車椅子マークで表示されることも多いので、一見すると多目的=車いす優先と思ってしまう方がいらっしゃいます。
しかし、オストメイトを利用されている方やトランスジェンダーの方など、多目的トイレを使うのは一見して不自由さがわかる方ばかりではありません。
立って歩いている人が多目的トイレを使っていると「本当に必要な人が使えなくなってしまう」と親切心や正義感で「車椅子優先だよ」など声かけをしている方もおられますが、一見してわからない人も多目的トイレを必要としているということをぜひ頭の片隅に覚えておいてくださいね。
多目的トイレは多機能化しまさに「だれでもトイレ」となっているのです。
4,フジタのピクト
では、お問い合わせに対して今まで提案してきたフジタのピクトグラムをお見せいたします。
いずれもカタログやサイトのピクト検索には入っておりませんが、ご利用いただけます。
お色などは変更可能ですので、お気軽にお申し付けください。
5,まとめ
いかがでしょうか。
私もフジタの仕事を通して、誰もが使いやすくなるような施設づくりをお手伝いできたらと思っています。
まだまだ勉強中ですので、ご意見・ご質問をお待ちしております。