フジタでは室名札・案内板・手すり用など、さまざまな種類の点字製品を扱っています。
今までにも点字に関する知恵袋の記事はありますが、今回はよくあるお問い合わせを中心に、「JIS T 0922」に基づいた点字のルールをまとめてみました。
目次
- 表記についてのお問い合わせ
- 素材についてのお問い合わせ
- そのほかよくあるご質問
- まとめ
1,表記についてのお問い合わせ
フジタでは点字案内板制作するときには必ず原稿をお書きします。
その際にお客様からお問い合わせが多いのが、「実際の文字と点字が異なるのですが」という内容です。
ここで実際の点字案内板の例を見てみましょう。
例えば「洋式(ようしき)」は点字では「よーしき」となります。
これは「ウ」列と「オ」列の長音は「ー」で表す、というルールに倣ったもので、耳で聞く発音と書いてある文字が同じになるように表記を統一するものです。
同様に点字では助詞の「は」「へ」は発音する通りに「わ」「え」と表記します。
例えば、「トイレは、右手にございます」の場合、「といれわ、 みぎてに ございます」となります。
他にも文字表記は「現在位置(げんざいいち)」なのに点字では「げんざいち」となっている箇所があります。
これも誤りではなく、言い換え可能な語は異なる点字表記をすることができるからです。
また、「実際の平面図と比率・位置が違う」というご指摘があることもありますが、触知図は触読性を優先するため、実際の配置と多少変えて製作する場合があります。
そして同じくよくお問い合わせがある点字表記がこちら。
向かって右側、文字表記は「2階」が先に来ているのに対して、点字は「1階」が先に来ています。
手すり点字は「現在の階数」・・・「進行方向の矢印」・・・「目的の階数」という順で読むためこういった仕様となります。
2,素材についてのお問い合わせ
お見積もり時や制作依頼時に、製品の素材についてお問い合わせをいただくことがあります。
例えば「安価なものでよいので、枠は要りません」というもの。
これは「手指を傷つけない表面形状になるものとする」という指針から外れるため、推奨できかねます。
同じく板面素材については「外的熱環境が原因となって、手指で触れられないほどの高温または低温にならないものとする」という規則があるため、「どのような場所に設置するか」によって素材は要相談となります。
また、「案内板の見た目を考慮して、化粧ビスで取り付けたい」というご相談がありますが、こちらも推奨できかねます。
これは板面に点字以外の突起があることは好ましくないためです。
点字を触っているうちに化粧ビスに当たってしまいます。
3,そのほかよくあるご質問
各階案内板を制作する際に、
「建物の入り口に全階の案内板をつけて、そこに点字を入れたい」というご要望をいただくことがあります。
こちらも「1階・2階など上下に重なった空間は、分けて表示しなければならない」という指針にそぐわないため、対応できかねる場合があります。
さらに、各階案内図は「上下階で統一した設置位置・方向にあることが望ましい」とされていますので、ご検討の際はこちらも考慮していただけると幸いです。
また、触読性を考慮し、触って読む方がわかりやすく簡略化させていただくこともございます。
4,まとめ
健常者はどうしても目で見て考えるので、実際の使い勝手とは異なる部分が気になりがちです。
でも理由が分かれば納得することばかりですよね。
実際に使用される方の目線で、ほんの少し想像力を働かせれば、より良いサインの設置につながるのではないでしょうか。
もちろんフジタでもご提案させていただきます。
そのほか詳しくは、知恵袋の「点字」カテゴリに記事がございますので、そちらも併せてご参照くださいませ!