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こんにちは。東京支店の岸本です。

文章を作成するとき、室名札のご依頼をするとき、デザインを作るとき……。
皆さんは様々な場面で書体を選ぶ機会があるかと思います。

何気なく選ぶ書体ですが、同じ書体の名前にEやBやPなどの様々な英字が
くっついているのを見たことはありませんか?

「同じ書体なのになんで分かれているの?」「どれを選べばいいの?」
そんな疑問を持つことがあるかと思います。
しかし、書体に付属する英字にはきちんと意味があるのです!

今回はそのような「書体に付属する英字」についての知恵袋です。

目次目次

  1. 書体の太さを表す英字
  2. 収録書体の多さを表す英字
  3. 書体のバランスを表す英字
  4. まとめ

 

1.書体の太さを表す英字

書体に付属する英字の意味の一つとして、まず書体の太さが挙げられます。
例えば、弊社の標準書体ですと「スーラDB」の「DB」が書体の太さを表しています。

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一部別注書体としてカタログに掲載されている分も含め、「スーラ」という書体には
これだけの太さのバリエーションがあります!

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こちらは一部「スーラ」には無いものもありますが、基本的な太さのバリエーションになります。
メジャーに使われるものとしては「R(レギュラー)・M(ミディアム)・B(ボールド)」になり、
この3パターンしか収録されていない書体もよく見られます。

ちょっとした文章を作る際には、
・B(ボールド)…タイトル
・M(ミディアム)…中の見出し
・R(レギュラー)…本文
これを意識するだけでも文面にメリハリがつきます!

また、別の例として「ヒラギノ」系の書体ですと、W3、W5と言った
「W(ウエイト=書体の太さのこと)+数字」という表現の仕方もあります。

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数字が大きくなるほど太くなりますので、わかりやすいですね。

 

2.収録書体の多さを表す英字

「Std」と「Pro」

文字の太さを表す英字の他に、「Pro」「Std」といった英字が付属している書体を
見かけられたこともあるのではないでしょうか。

この2つは簡単に言いますと、収録字数の多さの違いになります。
なんとなく想像がつくかと思いますが、「Pro」の方が収録字数が多くなります。
(書体を提供する会社によって一部例外はあります)
これらの収録字数はAdobeの規格によって決まっています。

Std仕様(Adobe-Japan 1-3準拠)…9,354文字
Pro仕様(Adobe-Japan 1-4準拠)…15,444文字
Pr5仕様(Adobe-Japan 1-5準拠)…20,317文字
Pr6仕様(Adobe-Japan 1-6準拠)…23,058文字

以上を見ていただくと分かるように、特にこだわりが無ければより収録数が多いものを使用することが
望ましいです。

 

「N」付きの書体

また、「StdN」「ProN」といった「N」がついた書体も度々見られるかと思います。
「N」がついていないものはJIS90、「N」がついたものはJIS2004対応の書体となります。

JIS90からJIS2004においては、一部の漢字の字形に変更がありました。
そのため、「Std」・「Pro」と「StdN」・「ProN」では標準で入力される字形が違う文字があるので
注意してください。

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文字の太さのように目に見える違いが分かりにくいですが、
「ぱっと見どれも変わらないし、適当に使っちゃえ!」と使用すると思わぬ落とし穴があります……。
しっかり確認して、同じ文書内では統一して使うことが望ましいですね。

 

3.書体のバランスを表す英字

Windowsでお馴染みの「HGゴシック」
これらにも英字が付属したバリエーションがあることをご存知でしょうか。

「HGゴシック」には「HGPゴシック」「HGSゴシック」のバリエーションがあります。
これらは書体のバランスに違いがあります。

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実際に入力してみると、書体の間隔や半角の文字の形に違いが見受けられます。

大まかな違いは下記の通りです。

HG…文字の幅が全て等しい固定幅のフォント
HGP・HGS…文字ごとに幅が異なるプロポーショナルフォント

英語などは文字幅が開きすぎると読みづらいため、一般的にはHGPの仕様がオススメされますが
日本語の入力ではやや詰まっている印象もありますので、
日本語のみの入力では固定幅のHGでもいいかもしれません。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

私もパソコンで文章やデータを作成し始めた当初は文字の太さくらいしか気にかけていませんでしたが、
フォントが分かれているのにはしっかりとした理由があります!
フォントを選ぶ際にはぜひ着目してみてください。

 

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