朝晩は少しひんやりしていますが、9月になっても日中は暑い日々が続きますね…。寒暖差にやられないよう気をつけたいところです。
そして、気づけば2016年も残すところ4か月!4分の3が終わってしまいました(゜゜)!なんだか少し焦ります 笑
さて、本日の記事では、様々な多様化が進む世の中でのサインの表示について、2回に分けて考えていきたいと思います。
目次
◆ はじめに
◆ 知っていますか?アメリカのトイレ論争
◆ なぜ「女=赤・男=青」で分けられるの?
◆ 実際のご注文では・・・
◆ まとめ
はじめに
唐突ですが、このようなCMをご覧になったことはあるでしょうか?
通信会社のCMです。
企業のCSR(企業の社会的責任・発展のための活動)に掲げる「ダイバーシティ(多様性)」をテーマにこのCMを制作されたそうです。
日本国内における様々な人口の割合が提示されていきますが、頭では分かっている・知っているつもりでも、いざ数字として見ると、なんだか現実感がより増しませんか?
現代の社会は様々な「多様性」を受け入れ、共存する、ということが重視されるようになってきました。
では、そんな社会でサインではどのように対応していけるのか?今回の記事と、次回の記事でいくつか例を見ていきたいと思います。
知っていますか?アメリカのトイレ論争
2016年3月、アメリカのノースカロライナ州で、通称「トイレ法案」と呼ばれる州法が制定されたのをご存知でしょうか?
これは「出生証明書の性別に基づくトイレ使用を義務付ける」といった内容のものです。
「差別的な政策」/「プライバシー保護に基づいた政策」というそれぞれの主張に基づき、アメリカ国内で様々な議論を巻き起こし、連邦政府と州が訴訟を繰り広げるまでになりました。
一方で、同じくアメリカのサンフランシスコでは、小学校が男女別トイレの段階的廃止を取り組むと表明したり、ニューヨークなどでは「ジェンダーニュートラル」な(男女の区別を表示しない)トイレが広まっているようです。
なぜ「女=赤・男=青」で分けられるの?
そんな事例を踏まえて・・・日本ではどうでしょう?
そもそなぜ、日本では「女=赤」「男=青」なのか?
私も入社してから調べてみたのですが、実は明確な理由はないようなのです。
そもそも、「女=赤」「男=青」は東京オリンピックの際に日本から世界に広まっていった、という説まであります。
ある神経科学の実験結果で、女性は暖色を、男性は寒色を好む、というデータはあるのですが、「赤」「青」にこだわるものではありません。
一見してわかるような明確な差がある色から、おそらく「白黒=弔事」「紅白=慶事」という印象を避けて、「赤/青」が選ばれたのではないか、という説が強いようです。
つまり、必ずしも、「女=赤」「男=青」である必要はないということになります。
実際のご注文では・・・
アメリカほどの議論には至っていませんが、「女の子は赤」「男の子は青」という考え方は、近年日本でも少しずつ薄れてきているように感じます。
例えば、こんなご注文は珍しくなくなってきました。
男女や車いすマークがすべて「黒」で表示されています。
また、「女性マークを青で」というようなご注文もないわけではありません。
ただし、これらのサインには「視認性が低い」「間違えやすい」という指摘もあります。
サインの持つ機能として「わかりやすく、誤解のないもの」を目指すという側面もあるため、今後さらに考えていくべき部分であると感じています。
まとめ
以前にも「障害者差別解消法」や「多目的ピクト」についてはご紹介してきました。
社会の多様化は、これからもどんどん議論されるテーマであることは間違いありません。
今回は「ジェンダーとサイン表示」について取り上げましたが、次回はオリンピック開催でも注目されるであろう、「国際化とサイン表示」について考えたいと思います。
それでは、次回に続きます!