前回、「これからは環境に優しいエコ印刷!UV印刷の基礎知識」
でもちょこっと載せていた「シルク印刷」について
今回は詳しくご説明致します!
目次
◆名前の由来
◆ 製版工程
◆ 印刷工程
◆ メリットとデメリット
◆ まとめ
名前の由来
シルクスクリーンとは、孔版画技法の一種です。
孔版画技法とは?
インクの通過する穴とインクが通過しないところを作ることで
製版し、印刷をする技法です。
身近なものだと「ステンシル」や「プリントごっこ」なども、
この孔版画技法の一種になります。
スクリーン印刷はインクが通過しないところを乳剤で固めた
絹のスクリーンにインクをのせて、擦ることでインクを写します。
スクリーンに絹を使っていたため、「シルク」スクリーン印刷と呼ばれていました。
現在では絹は使われておらず、同じメッシュ素材の
ポリエステルやナイロンなどの合成繊維の布が使われています。
製版工程
印刷をするには、まず版を作ります。
上の図にあるように、
1.まずは透明のシートに印刷するものを貼ります。
2.紗(しゃ)に感光乳剤という緑の液を塗ります。
※この緑の液は100回ほど混ぜないと作れないとか…!!
1と2を合わせ、焼き付けをすることで、版が完成します。
印刷工程
次に完成した版を使って板に印刷をします。
上の写真のような手順で印刷していきます。
ちょっとわかりにくいかと思いますので…
印刷の仕組みに関してご説明致します!
図のように、手順としては
- スキージーで版にインクをのせます。
- スキージーでインクを擦ります。
- 更にもう一度擦ると、板にインクがつきます。
シルク印刷のインクは黒などの決まった色以外は
黄色と赤を混ぜてオレンジを作る…
などインクを作るのも手作業で行います。
一つひとつ、丁寧に人が関わっているところは魅力ですね!
メリットとデメリット
「あなたが求めるサインに最適な表示方法」で少しお伝えしましたが、
より詳しくお伝えしたいと思います!
メリット
- インクが厚く塗れ、下地の色に影響されにくい(=隠蔽性が高い)
- 屋外で使用された場合に、変形、変色、劣化などを起こしにくい(=耐候性に優れている)
- インクの種類が豊富で決められた色を表現しやすい
- プリントする素材を選ばず何にでも印刷出来る
- 版を一度作れば大量生産が可能(たくさん作るほど1枚辺りが安くなる)
デメリット
- 製版に時間がかかるため、納期が1週間以上かかる
- 1色1版いるので、色数が増えるほど価格が上がる
- 製版代が高いため、少量の印刷だと割高になる
- 製作には職人の技術が必要
まとめ
今回、シルク印刷についてご紹介させていただきましたが
UV印刷と比較するとずいぶん機械化が進んだのだなぁと感じます。
私はフジタでシルク印刷をしていた頃を知らないのですが、
このブログを書くにあたって話を聞いていたところ、
こんなものを見せてもらいました↓
これがまさに、シルク印刷の「版」です!
年季が入ってますね〜!
まだまだシルク印刷が主流という会社さんも多くあります。
UV印刷にしても、シルク印刷にしても
それぞれに魅力も欠点もあるということを頭に置きながら、
商品作りに励みたいと思います。