新年度に入りました!
フジタの繁忙期も落ち着きつつあります。たくさんのご発注ありがとうございました。
本日は、意外と知られていない、印刷方法の用語についてお話ししたいと思います。
目次
- そもそも「ベタ」ってなんですか?
- 「小口・枠の処理」とは?
- 「○○調」印刷色々
- まとめ
1,そもそも「ベタ」ってなんですか?
・・・というご質問を電話口でいただいたことがあります。
皆様、すらすらと説明できますでしょうか?私は当初うまく答えられませんでした・・・。
「ベタ」というのは簡単に言えば「塗りつぶしの部分」を指します。つまり「ベタ印刷」というと「塗りつぶしの印刷」ということです。
業界によって「ベタ」の定義は少しずつ異なるようですが、フジタで「ベタ印刷」というと、室名札の表示部分の全面に色が載るような印刷を指します。
例えばこれらのピクトです。
表示面全体に色が載っていますよね。
なお、フジタではグラデーションや模様であっても、室名札の表示部分全てに何らかの表示・色が載るのであれば、「ベタ」扱いになります。
ちなみに、「ベタ抜き」という用語もあります。
これは、
このようなピクトの場合、中の男性マークの部分には色を載せない(素材の色が見える)印刷です。
特にご指示のない場合は「ベタ抜き」で制作するのが基本となります。
もちろん男性マークの部分を「抜き」ではなく、白やその他周囲と異なる色で塗りつぶすことも可能です。
ただし、その場合は、素材の特性が出にくくなります。
2,「小口・枠の処理」とは?
ベタの印刷の際に確認させていただくことが多いのは、「小口(こぐち)」と「枠」についてです。
「小口」とは部材の断面部分、厳密には横断面を指すようですが、フジタではいわゆる「厚み」に当たる部分は「小口」としています。
このように、白色のアクリルに先ほどのような男子マークを印刷すると、「小口」の部分は白(素材の色)になります。
UV印刷では、この「小口」の部分と「枠」に印刷をすることはできません。
もしもこれらの部分も色を合わせたい!という場合は、素材を塗装する、インクジェットシートを四方に巻き込む、などの方法をとる必要があります。
素材によっては方法や対応が異なりますので、「小口・枠の色もそろえたい!」という場合は一度ご相談くださいませ。
3,「○○調印刷」色々
ベタ印刷、というと「一色での印刷」を思い浮かべがちですが、この手法を使うと様々な模様を室名札に表現することが可能です。
例えば商品としては、
〇木目調印刷
〇畳調印刷
などが既にカタログに掲載されています。これらすべてUV印刷なんですよ!
また、規格にはありませんが、大理石調などにも対応可能です。
もちろん、こういった模様の上から室名やピクトを印刷することも可能です。
印刷方法については、知っておきたい、「表刷り」と「裏刷り」の違いとは? もご参照ください。
4,まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段こちらも何気なく使っている用語ですが、いざ詳しく説明する、となると難しいものですね・・・。
ベタ印刷は、素材の特徴を薄めてしまうことも多いのですが、上にご紹介するような「○○調印刷」など、新たなデザインを生み出すこともできます。印刷で表現するため、場合によっては材料費や製作期間などのコストダウンにもつなげることが可能です。