学生さんは夏休みに入り、フジタも第2の繁忙期に突入です。
長期休暇を利用してサインの新設や改修を行われる施設も多いのではないでしょうか?
昨今、サインや看板の老朽化や、それによる事故等が注目されるようになってきました。
そこで今回は、改修工事などを行う上で知っておきたい「サインの安全」について考えたいと思います。
目次
- 看板の老朽化
- 国のガイドライン
- まとめ
1,看板の老朽化
2015年の2月に札幌で起こった看板落下の事故をきっかけに、国が調査した結果によると、2015年6月から2016年9月末までに41件の事故が報告され、中には負傷事故も数件あったそうです。
看板の耐用年数というものは素材によって様々ですが、劣化を促す原因としては以下のものがあげられます。
・気候(風・雨・紫外線・積雪・塩害など)
・災害(地震・台風など)
・経年劣化
・人為的なもの
どれだけ注意をしていても、看板は永遠に使えるものではなく、目に見える不具合が全てではありません。
大きな事故を起こさないためにも、然るべき点検・メンテナンス・取り替えが求められています。
2,国のガイドライン
屋外広告物を設置するには、大きく1以下の2つに留意しなければなりません。
①屋外広告条例
各県や市町村によって定められており、事前に申請・許可を得る必要があります。
②建築基準法
都市計画に関する基本法。建築物に関する最低基準のほか,建築物の建築確認,違反建築物に対する措置などについて規定しています。時代に合わせて時折改定されます。
これらの条例・法令によって、自治体は店側に1~3年に1回の点検報告を求める決まりがあります。
が、点検の具体的な方法が定められていなかったこともあり、目視のみで済まされるなど詳細な点検が行われない場合もあったようです。
これを受けて、国土交通省は2016年4月に「屋外広告物条例ガイドライン(案)」を一部改正しました。
改正のポイント
(1)屋外広告物の所有者又は占有者は、当該屋外広告物の補修、除却その他必要な管理を怠らないようにし、良好な状態に保持する責務があることを明記。
(2)屋外広告物の所有者又は占有者は、屋外広告士など専門的知識を有する者に、当該屋外広告物の本体、接合部、支持部分等の劣化及び損傷の状況を点検させなければならない旨の規定を追加。
(3)屋外広告物の所有者又は占有者は、許可の更新等の申請を行う場合に、(2)の点検結果を都道府県知事に提出しなければならない旨の規定を追加。
※国土交通省HPより一部抜粋
詳しくはこちらもご参照ください。
看板の安全管理 ガイドブック (国土交通省)
3,まとめ
いかがでしたでしょうか?
ガイドラインは定められたものの、専門家の不足などにより、思うように進まない、といった現状もあるようです。
今回は「室名札」よりは「屋外看板」の話に寄ってしまいましたが、ぜひこの機会に身近なサインや看板の経年劣化などに気を留めていただければ、と思います。
各都道府県・自治体によっても対応が異なりますので、ぜひお住まいの地域についてもご確認いただければと思います。
事故は起こってからは取り返しがつきません。大きな事故になる前に、日ごろのチェックを怠らないようにしたいですね。