フジタでは表示板に直接インクをのせるUVダイレクト印刷を行っております。
表示板には板が傷つかないようあらかじめ養生シートが貼られており、その養生シートを剥がす際に静電気が発生しやすくなります。
静電気が発生すると板面にゴミやほこりが吸着されやすくなり、印刷インクに付着してしまう恐れがあります。
フジタではそんな厄介な静電気を除去する工夫をしています。
目次
- 静電気が発生するメカニズム
- 静電気によって引き起こされる不具合
- 静電気が起きやすい環境
- フジタの静電気対策
- まとめ
1,静電気が発生するメカニズム
静電気は重ね合った2つの物質が剥離するときに発生します。
すべての物質は原子と原子の組み合わせです。
そして原子には、マイナスの電子とプラスの陽子で構成された原子が含まれます。
接触する側とされる側の間で電子の受け渡しが行われ、電子を受け渡した方がプラスに帯電します。
例えて言うと椅子から人が立ち上がる時や、シートをはがすときに発生するものです。
これと同じメカニズムで冒頭にお話しした養生シートによる静電気が発生します。
なんとこの養生シートをはがした際には、およそ5000~10000ボルトもの電気が発生しているというから驚きです。
2,静電気によって引き起こされる不具合
表示面に静電気が発生することで、印刷の不具合が起こります。
冒頭でもお話しした、ほこりの付着、そしてインクの散りです。
インクの散りとは、くっきりとした印刷でなく、スプレーを噴射したような輪郭のはっきりしない印刷の状態です。
静電気によってインクが分散されてしまうのです。
3,静電気が起きやすい環境
静電気には起きやすい環境があります。
気温25度以下、湿度20パーセント以下です。
実際に寒くて乾燥している冬に静電気が起きやすいですよね。
一般的によく静電気の発生するドアノブの場合は、金属なので電気を通しやすくバチッときやすい物質です。
その場合の静電気を防ぐには、電気を通しやすい物質を触る前に電気をゆっくりと通す物質を触って放電することで防ぐことができます。
電気をゆっくり通す物質は、部屋の壁・木・地面・アスファルト・石・レンガ などです。
4,フジタの静電気対策
フジタでは悪影響を及ぼす静電気を除去する研究を重ね、対策を行っています。
主な方法は、3つあります。
(1)静電気除去布
名前の通り静電気を除去できる乾拭き布です。
表示面をほこりが残らないように拭き取ると静電気を除去することができます。
(2)アルコール拭き取り
アルコールで湿らせた布またはスキージーで表示面を軽く拭き取る方法。
水気によって静電気が除去できる効果と、アルコールはすぐ乾くので印刷の直前に行える方法です。
表示面のちょっとした汚れ・ほこりなどを取り去ることもできます。
ただ表示面によっては拭き取った後が残るので注意が必要です。
(3)静電気除去装置
とある展示会でお目にかかり、導入することになった装置です。
一般的に塗装品や印刷物を製造される会社に導入されています。
装置の中を通過した物体の静電気と、付着しているほこりを除去することができます。
5,まとめ
いかがでしたか。
今回は静電気対策について行っている工夫をご紹介しました。
この他にも過去に静電気除去スプレーを試してみるなど、様々な試行錯誤をしてきました。
一枚一枚美しい印刷にこだわるサインメーカーの工夫です。
今回ご紹介したものは工場見学でもご覧いただけますので、お問い合わせくださいませ。