前回まで3回に分けてフジタの点字をご紹介しましたが、フジタでの点字の作成には大きく分けて2つの仕様があります。
そこで、今回は実際に点字をどのように制作しているのかご紹介します!
※前回までの記事はこちら
目次
- 点字ピンでの制作
- 裏打ち点字での制作
- まとめ
1,点字ピンでの制作
実は点字ピンについては以前にも記事を掲載したことがございます。
おさらいになりますが、フジタには2種類の点字ピンがあります。
1つは樹脂製の点字ピンです。
主にアクリル製の室名札に使用されます。
もう1つはステンレス製の点字ピンです。
主にアルミ・ステンレス・木製の室名札に使用されますが、アクリルにも使用可能です。
例:FH-FTシリーズ FH-FTSシリーズ など
☆作り方
樹脂製ピンもステンレス製ピンも基本的な使い方は同じです。
このように点字位置の穴が開いた表示基盤にピンセットで1本1本ピンを埋め込んでいく作業です。
※さて、何と書いてあるでしょう?答えはのちほど・・・※
SUS点字ピンの場合は道具が一つ増えます。
いきなり想像を超える道具が出てきましたね・・・!
SUS点字ピンの場合は、穴の大きさがピンの太さに対して小さめにできているので、しっかり埋め込むためにハンマーで叩き込むのです。
隣の透明の板を一枚はさんで叩くことで、本体に傷をつけないようにします。
埋め込んだピンは、溶剤や接着剤で裏面から固定します。
完成がこちら!
正解は「げんざいち」でした。
現在地の赤い突起は、印刷もすべて終わってから最後に入れます。
また案内板の場合、表示図の壁などを示す盛り上がりは、UV印刷を重ねることで制作されています。
2,裏打ち点字での制作
点字ピンの他にも点字を制作する方法はあります!
それが「裏打ち」・・・文字通り、裏から打ち込む点字です。
点字ピンとは異なり、表示板そのものが点字状に隆起します。
表示板が樹脂製のシートでできているもので使用されます。
例:FHインターホン点字サイン
こちらも作り方はシンプルです。
これら2つの道具を使います。
点字は6点の組み合わせで音を表しますが、この器具には、一窓ずつ6つのくぼみが入っています。
点字を打つ前の状態。裏面に点が印刷されています。
こちらを一つ一つの窓に合わせて…
上から突く!
表面に突起ができました。
これらを一点ずつ地道に突いていきます。
1つ1つの点字が均一な高さであることはもちろんですが、力を入れすぎると破れてしまい、逆に弱すぎると盛り上がりが小さくなるため、力加減が難しい…。
全て打ち終わると、触れても点字がつぶれないように裏から硬化剤を塗って完成です。
3,まとめ
いかがでしたでしょうか?
点字は地道な作業の繰り返しで制作されています。
他の商品と比べて、点字製品が納期を要する理由もお分かりいただけたのでは・・・。
なお、点字ピンの埋め込みについては、展示会や会社見学などで体験いただけます。
意外と好評なコーナーのようですよ~。