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こんにちは!東京支店の小笠原です^^

12月に入り、本格的に寒くなって来ましたね。

さて、今回の記事は「色彩文化 日本編」についてです。

前回「色彩文化 ヨーロッパ編」についてご説明しましたが、今回はこの続編です。

前回ご説明した古代〜近代ヨーロッパの色彩文化では、「美術・工芸において色彩文化が盛んな時代」といわれており、

現在知られている色彩理論や色彩体系のほとんどがヨーロッパの人と風土から生まれました。

今回ご説明する飛鳥時代〜江戸時代の日本の色彩文化には、外国にはない日本特有の色彩「かさねの色目」や江戸時代に「粋」とされた中間色の色

などがあります。

前回と同じように今回も年代別に区切り、説明していきます。

色彩に興味がある方や色彩検定を受けよう!と考えている方にぜひ読んでいただきたいです^^

目次目次

  1. 飛鳥時代 592年〜710年
  2. 平安時代 794年〜1185年
  3. 室町時代 1336年〜1573年
  4. 江戸時代 1603年〜1868年
  5. まとめ

1,飛鳥時代 592年〜710年

日本で初めて、地位身分を象徴する「色彩序列」が定められた時代

聖徳太子によって603年に冠位十二階による位色の色が決められました。

「冠位十二階」という言葉は歴史の授業の中で一度は耳にしたことがあると思います!

「冠位十二階」とは・・・

12色の色彩を用いて、地位身分を表すことです。地位の高い人から順に、紫、青、赤、黄、白、黒の順に表されました。

自分の位より高位の色を使用することは禁じられており、このことを禁色と言います。


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この「冠位十二階」で制定された位色は現在も残っていますね。

紫や紅などの濃い色を見ると高級感を感じるため、現在では紫や紅の色は着物や老舗の和食料理店のロゴマークなどに使われています!

2,平安時代 794年〜1185年

日本の伝統的な配色「かさねの色目」が生まれた時代

かさねの色目とは・・・
一枚のあわせ仕立ての衣の表と裏の色の組み合わせのことをいいます。このかさねの色目(襲の色目)を使い、多彩な配色を持たせた着物が十二単(じゅうにひとえ)です。

かさねの色目に使われる色の名前(伝統色)のほとんどが、花や草木をはじめとする植物からとられています。

植物から名前をとることで、「四季の季節感」を表しています。

3,鎌倉・室町時代 1336年〜1573年

中国の影響を受け、染色や美術が盛んとなった時代

中国からの輸入品などに刺激を受けて、高級な染織品が生まれました。

また、中国で絵を学んだ雪舟により水墨画が伝わるようになりました。

4,江戸時代 1603年〜1868年

茶色や鼠色などの中間色の色合いが「粋(いき)」とされ流行した時代

「粋」とは・・・

江戸町人に好まれた美的理念のことで、気性・態度・身なりがあか抜けていることを言います。

茶色や鼠色などの中間色の色合いが流行った背景として、江戸時代では庶民が贅沢やお洒落をすることが禁止(奢侈禁止令)とされていたため、紫や紅色などの華美な色が使用できなかったことが挙げられます。わずかな色の違いにしゃれ心を見出す意味がある「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)」という言葉も生まれました。

●江戸時代の流行色ー茶色ー

当時茶色は、植物全てが持つタウニンと呼ばれる成分を抽出して染めていたため、お手軽な価格で染めることが出来たそうです。

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5,まとめ

日本の色彩文化は、着物の十二単の「かさねの色目」のような華やかな色の組み合わせや、江戸時代に流行した「粋」とされる茶色などの中間色の落ち着いた色があり、鮮やかな色が好まれる外国の色彩文化とは少し異なります。

また、昔から日本の色彩と四季は密接な関わりがあります。

かさねの色目のような、萌黄・鮮芳・紅梅などの色を配色に取り入れるとグッと、和のイメージになりますので

温泉施設などの和のイメージの場所では、このような日本の配色を取り入れた室名札があってもいいかもしれませんね^^

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