こんにちは!東京支店の小笠原です。
「高齢社会」ということば・・・少し前から頻繁にテレビやニュースで耳にするようになりましたね。
「高齢社会」とは、総人口に対して65歳以上の高齢者人口を占める割合が14%を超えた社会のことをいい、現在の日本はこの「高齢社会」と言われています。
これから先も、子どもが減り高齢者の人口が増えると予測されています。
では、ご高齢の方が増えたときどのような配慮をすることが望ましいでしょうか。公共施設のトイレや廊下に手摺をつけるなどのバリアフリー仕様にするなど
いくつか挙げられますが、今回は「視覚変化するご高齢の方を対象として、サインにどのような配慮を行うべきであるのか」をご説明した上で、フジタのおすすめのサインをご紹介いたします。
加齢による身体の変化は、「筋力の衰え」というイメージを持つ方が多いですが「視覚」も衰え変化すると言われています。
そのため、高齢者の視覚の特性について理解し、高齢者の方に配慮したサイン計画(カラーコーディネート)を行うことが必要となります!
目次
- 高齢社会とは
- 加齢による視覚変化①角膜の黄変
- 加齢による視覚変化②白内障
- 加齢による視覚変化③視力低下
- おすすめサイン
- まとめ
1,高齢社会とは
先程冒頭でも簡単にご説明しましたが、
社会の高齢化の定義は「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」の3段階に分かれています。
世界保健機構(WHO)や国連の定義によると、高齢化率が7%を超えた社会を「高齢化社会」、14%を超えた社会を「高齢社会」、21%を超えた社会を「超高齢社会」と言います。
(高齢化率とは、総人口に対して65歳以上の高齢者人口が占める割合のことを言います。)
現在の日本は、高齢化率26.8%を超えているため「高齢社会」と言われています。
総人口が減少する中で高齢者が増加することにより、高齢化率は上昇を続け2035年には高齢化率が33.4%を超えて、国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると予測されています。
2042年以降は、高齢者人口が減少に転じても高齢化率は上昇を続け、2060年には高齢化率は39.9%に達して、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると推計されています。
(画像① 総務省ホームページより:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h25/html/nc123110.html)
画像①の表から分かるように、これから先も子どもが減り高齢者の人口が増えると予測されています。
このことから、「超高齢社会」に向けて高齢者の視覚の特性について理解し、高齢者の方に配慮したカラーコーディネートを行うことが必要とされます。
では、加齢によってどのような視覚変化が起こるのでしょうか。
加齢によって起こるとされる3つの視覚変化をご説明します。
2,加齢による視覚変化①角膜の黄変
まずは、①角膜の黄変についてご説明いたします。
角膜とは、瞳の黒い部分の表面にある透明の膜のことです。
平らなドームのような形をしており、血管はなく常に表面が涙で覆われています。これは、乾燥と眼球内部への細菌感染を防ぐ役割を果たしています。
ー角膜の黄変が起こるとどのようなことが起きるのかー
黄変が進むと、目に入る光が黄みを帯びてくるため暗いアンバーのサングラスをかけて見ているように見えます。
(左画像:正常な見え方) (右画像:角膜が黄変した場合の見え方)
加齢とともにコントラストに対する感度の低下や黄色系や青系に関する感度の変化が起きるとされています。
→このことから、高齢者を対象とした色彩設計を行う場合、①コントラストを高めにする②黄系や青系を避け、彩度を高くするなどの配慮が必要です。
3,加齢による視覚変化②白内障
次に、②白内障についてご説明いたします。
水晶体とは、目の中でカメラのレンズのようなはたらきをする組織のことです。
外からの光を集めてピントを合わせるはたらきを持っています。
通常は透明な組織ですが白内障では白く濁ってしまうため、集めた光がうまく眼底に届かなくなります。
ー白内障になるとどのようなことが起きるのかー
①視界が全体的にかすんで見える
②視力が低下し、見えにくくなる
③光をまぶしく感じるようになる
④暗いとき・明るいときで見え方が変わる
→このことから、高齢者を対象とした色彩設計を行う場合、色の区別を分かりやすくするために色と色の境目に縁を入れるなどといった配慮が必要です。
4,加齢による視覚変化③視力低下
次に、③視力の低下についてご説明いたします。
具体的に2つ挙げられます。
①暗い場所では、色だけではなく物そのものが見えにくくなります。
→水晶体が黄変したり白濁することが原因です。
水晶体が黄変したり白濁すると、水晶体の透過率が低下して眼球内に入射する光の量が減少するため暗い場所では、物そのものが見えにくくなります。
②若い人と高齢者では、倍ほど視力が異なります。(照度が100lx程度の場所で小さな文字を見るとき)
→水晶体が黄変したり白濁することが原因です。
→このことから、高齢者を対象とした色彩設計を行う場合、視認性(文字を読みやすくするために)をつけるために、文字などは明度差をつけるといった配慮が必要です。
5,おすすめサイン
では、「視覚変化」と「どのような配慮が必要なのか」ご理解いただいた上でフジタのおすすめサインをご紹介いたします。
①3Dピクト
この3Dピクトは、名前の通り3Dのように立体的なサインです。
このサインには3つ特徴があります。
①視認性があること
→立体感があり、遠くからでも目立ちます。
②耐候性がある
→フジタの商品は、屋内専用の物が多いですが
このピクトは、耐候性の素材で出来ているため屋外で使用出来ます。
③存在感がある
→三次元構造なのでどの角度からでも目を惹きます。
※3DピクトはカタログVO.15に掲載しておりますが、HPには掲載しておりません。
詳しくご覧になられたい方はカタログ請求ページから3Dピクトサインのリーフレットをご請求くださいませ。
また、過去に【ユニバーサルデザイン】や【サインの視認性】についての記事があるので、合わせてご覧ください!
6,まとめ
加齢によって、どのような視覚変化が起こるかご理解いただけたでしょうか。
「視覚変化」について理解をすると、これからどのような配慮を行うべきか見えてきますね。
加齢による身体の変化は、「筋力の衰え」というイメージを持つ方が多いですが「視覚」も衰え変化します。
これから先、さらに高齢化は進んでいきます。
サインは簡単に変えるものではないので、これから先のことも見据えてデザインすることが必要です。