こんにちは!東京支店の小笠原です。
今回は、東京都で行われている【景観法〜景観条例〜】(街の景観を守るための法律)についてご説明いたします。
以前は景観法の実例として、「那須高原」を挙げてご説明させていただきました。
まずは、前回のおさらいとして「景観法とはなにか?」というところからご説明いたします。
目次
- 景観法とは
- 東京都に景観条例が出来た背景
- 東京都の景観条例
- 東京都の景観条例実例〜センターコア再生ゾーン〜
- まとめ
1,景観法とは
2004年以前は、景観を守る具体的な法律がなかったため開発のために、景観が破壊されることがあったようです。
その町の景観を守る事によって、「その町らしさ」が明確となりますね。
では、おさらいをしたところでさっそく「東京都に景観条例が出来た背景」を見ていきましょう!
2,東京都に景観条例が出来た背景
「東京都に景観条例が出来た背景」は戦後の日本の復興から始まります。
※参考:東京都公式WEBサイト/東京都都市整備局
政治・経済・文化の発展により、東京が都市として成長したことから、街並みが乱れ規制が必要ではないかと考えられるようなりました。
そして訪日外国人の影響もあり、現在の「景観法」が作られるようになりました!
では、現在策定されている東京都の景観条例をご説明いたします。
3,東京都の景観条例
日本の経済発展・訪日外国人の影響を受けた背景から東京都では、「東京都景観計画」が策定され、平成19年4月1日から施行されています。(平成28年8月より一部変更あり)
この「東京都景観計画」では、①景観法を活用した届出制度や景観重要公共施設の指定 ②(都独自の取組みとして)大規模建築物等の事前協議制度など、景観を守るための具体的な施策が定められています。
*また、「東京らしさ」を形成するため平成2001年10月より「東京の新しい都市づくりビジョン」が公表されています。
「東京の新しい都市づくりビジョン」は、東京都が目指す広域的な都市の将来像を明らかにしたものです。
→都内を下記の5つのゾーンに区分し、地域特性と地域像を示しています。 東京都全域を個性豊かな景観にするために各ゾーンの景観特性を示すことで誘導地域の魅力の向上へとつなげることが目的です。
①センター・コア再生ゾーン
②東京湾ウォーターフロント活性化ゾーン
③都市環境再生ゾーン
④核都市広域連携ゾーン
⑤自然環境保全・活用ゾーン
では、①センター・コア再生ゾーンを実例として挙げご説明いたします。
4,東京都の景観条例実例〜センター・コア再生ゾーン〜
センター・コア再生ゾーンとは、首都機能を担う東京圏の中心(千代田区・港区・文京区等)地区を指し、日本の政治や経済が拠点となっている重要な地域のことです。
皇居周辺や日本橋・銀座、神楽坂といった歴史的景観が残されている地域と新宿や六本木周辺など、多様な都市産業が挙げられますが、今回は皇居周辺の条例についてみていきたいと思います。
皇居周辺の風格ある景観を守るため、下記のような方針や基準が挙げられています。(東京都景観計画より)
<方針>
①歴史・文化を生かし首都の風格を際立たせる。
<基準>
*地区内に残る歴史的建造物の維持・保全に努めるとともに、その周辺ではこれらとの調和に配慮する。
*日比谷通り等では、歴史的に継承されてきた 31m程度の軒 線の連続性確保により表情線を形成するとともに、高層部の 壁面後退距離の確保に配慮する。
<方針>
②皇居の緑や水辺と調和した眺望景観を保全する。
<基準>
*皇居周辺の水と緑と一体となった空間の広がりや眺望確保を図るとともに、地区全体のスカイラインのまとまりや調和に配慮する。
*濠、緑、石垣等から構成される特色ある眺望景観を保全するため、眺望点からの見え方に配慮する。
5,まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、東京都の景観法についてご紹介させていただきました。
いくつもの基準が設けられているため、全てはご説明出来ませんでしたが「東京都には、沢山基準がある!」ということはご理解いただけたかと思います。
これだけ沢山の基準があるのだから、、、2020年の東京オリンピックの際に「東京の街は素晴らしい!」と感じていただきたいですね。
*景観法があることによって、美しい景観「その街らしさ」を保つことが出来ます。
景観法は、どの街にもあるものですので、ぜひ自分の町の景観も意識して見てみてください^^