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こんにちは!東京支店の小笠原です。

近年、「高齢化社会」や「2020年東京オリンピック」についてのニュースに伴い、

「ユニバーサルデザイン」という言葉をよく耳にするようになりました。

このサインの知恵袋でも、何度かユニバーサルデザインについて取りあげてきましたが、

お電話でお問い合わせを受けることも多いので、例を挙げて改めてご説明したいと思います。

ではさっそく「ユニバーサルデザイン」の説明から、ユニバーサルデザインの具体例(多機能トイレ)を挙げてご説明します。

目次目次

  1. ユニバーサルデザインとは
  2. ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い
  3. ユニバーサルデザイン7つの原則
  4. 原則⑦の例〜多機能トイレについて〜
  5. まとめ

1,ユニバーサルデザインとは

できるだけ多くの人が使いやすいように、製品・建物・空間をデザインすること
便利で快適な社会になってきていますが、「障害をもつ人々」や「高齢者」をはじめ、人によっては使いにくい場合があると思います。
「どんな人にも使いやすく」といった、多様性に配慮する必要性からユニバーサルデザインの考えは生まれました。

→ユニバーサルデザインができた背景
ユニバーサルデザインは、1980年代にアメリカのロナルド・メイス氏によって「できるだけ多くの人が利用可能であるように、製品・建物・空間をデザインすること」と提唱されました。
彼自身、障害をもっていたことや1990年にアメリカで施行された※「ADA(Americans with Disabilities Act )」という法律がきっかけで、提唱したと言われています。
※ADA(Americans with Disabilities Act )は、障害のある人が利用しにくい施設を「差別的」と位置づけ、雇用の機会均等と製品やサービスへのアクセス権を保障した法律です。
たとえば、「建物であれば必ずどこかに、車いす利用者の入れるスロープを設けなければならない」などといった細かな規定が盛り込まれていました。
法律の基準を満たしているからといって、障害のある人が日常生活の中で不便を感じなくなることはないと考え、ユニバーサルデザインが提唱されました。

法律に対して疑問を持ち、そこから自らの考えを提唱するメイス氏は素晴らしいですね!

次は、ユニバーサルデザインとよく比較・混同される言葉である「バリアフリー」についてご説明いたします。

2,ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

●バリアフリー・・・・高齢者・障害者の様々な障害(バリア)を取り除き健常者との生活上の差別をなくしていく」という考え方
●ユニバーサルデザイン・・・「全ての人に使いやすければ障害者にも使いやすい(より多くの人が使いやすいこと)」という考え方

バリアフリーは「高齢者・障害者の様々な障害(バリア)を取り除き健常者との生活上の差別をなくしていく」という考え方に対して、
ユニバーサルデザインは「全ての人に使いやすければ障害者にも使いやすい(より多くの人が使いやすいこと)」という考え方です。
決定的な違いは、ユニバーサルデザインは最初から障壁を感じさせないデザインになっていることです。

ユニバーサルデザインについて、徐々に理解していただけたでしょうか?
次は、さっそくユニバーサルデザインを考える上で大切な視点「ユニバーサルデザインの7つの原則」についてご説明いたします。

3,ユニバーサルデザイン7つの原則

ユニバ

ユニバーサルデザインを実現するためにの原則として「ユニバーサルデザインの7つの原則」があります。

これは、ユニバーサルデザインの主宰者たちによって2005年に編集されたもので、作り手やサービス提供者がもつべき視点が定義されています。
※この7原則をすべて盛り込まなければいけない!というわけではなく、使いやすさを検討するときの視点としてこの原則をあてはめていきます。

①公平な利用
どのような人でも公平に使えるものであること
→EX.)自動ドア

②利用における柔軟性
多様な使い手や使用環境に対応し、使用上の自由度が高いこと
→EX.)カドケシ

③単純で直感的な利用
使い方が簡単で、誰もが直感的に理解できること
→EX.)エレベーターの階数ボタン

④わかりやすい情報
周囲の環境や利用者の視覚・聴覚などの能力に関係なく、必要な情報が正確に伝わること
→EX.)音声サイン

⑤まちがいに対する寛大さ
誤った使い方をしても、事故や危険につながりにくい対策をもつこと
→EX.)PCソフト「元に戻る」

⑥身体的負担は少なく
身体的に負担を感じることなく、自由で快適に使えること
→EX.)改札口(パスモ)

⑦利用のための大きさと広さ
利用者の身体的状況にかかわらず、不便なく使える大きさと広さがあること
→EX.)多機能トイレ

普段、目にしているものばかりですね^^

次は、「原則7 利用のための大きさと広さ」の事例として多機能トイレを例にご紹介したいと思います。
以前、「多機能トイレにはどのような設備が必要なの?」というお問い合わせをいただいたので多機能トイレを例にご紹介します。

4,原則⑦の例〜多機能トイレについて〜

多機能トイレとは
車いす使用者だけでなく、高齢者・内部障がい者・子ども連れなどの多様な人が利用可能としたトイレのことです。

多機能トイレ

〜多機能トイレ基本的な考え方〜

①車いす使用者、オストメイト、子ども連れのなどの多様な利用者に使いやすいトイレとするよう、必要な設備を設置すること
設置設備の例として
・ベッド
・乳幼児用ベッド
・乳幼児用イス
・汚物流し
などが挙げられます。

②操作しやすいように工夫すること
→便座または車いすに座った姿勢、もしくは立ち姿勢で使用することを想定し、どの姿勢からでもできるだけ使いやすい位置に配置する。
操作部の各部は、施設用途や利用者層、利用者からの意見等を考慮し、わかりやすく誤操作がないような位置に配置する。

③視覚障害者にも位置を把握しやすいようにする
→紙巻器をスタート地点として、洗浄ボタン等を探せるような位置に配置する。

⑤区別しやすいように工夫すること
→洗浄ボタンと非常ボタンは、区別がつきやすいようにボタンの形状や表示を工夫する。

多機能トイレには様々な工夫がありますね^^
私は普段あまり使うことはないですが、広さがあるので荷物が多い時などに利用しています!

▼多機能トイレに使用するピクトサインについての記事がございますのでご覧下さいませ!
多機能トイレピクトについて

 

※参考;国土交通省HPより

5,まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、ユニバーサルデザインについてご説明させていただきました。
「ユニバーサルデザイン」という言葉はよく耳にするけれど
「実際に例を挙げて説明してください。」と言われたら、完璧に説明できる人は少ないのではないでしょうか^^;
サインの知恵袋では、過去にもユニバーサルデザインについて取り上げた記事がございますので、合わせてご覧くださいませ!

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サインに関するユニバーサルデザインの考え方

みんなで考えよう!ユニバーサルデザインの基礎知識

2020年東京オリンピックに向けたカラーユニバーサルデザインのサイン

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