2021年開催の東京オリンピックの開会式で、競技を模したピクトグラム50種を用いたパフォーマンスが行われました。
ネット上でも話題となったこちらのピクトグラムですが、そもそも「ピクトグラム」とはどのような役割で、どのような歴史のあるものなのでしょうか。
今回はサインにも欠かせないピクトグラムについてご説明いたします!
目次
- そもそもピクトグラムとは?
- オリンピックとピクトグラム
- サインにおけるピクトグラム
- まとめ
1そもそもピクトグラムとは?
ピクトグラム(あるいはピクトグラフ)とは、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つです。
多くは人間の動作や物などを簡略化したもので、文字で表現する代わりに、視覚的な図で表現することで、言語にとらわれずに内容の伝達を直感的に行う目的で使用されています。
ピクトグラムの元祖は、1920年代に教育者・哲学者のオットー・ノイラートとイラストレーターのゲルン・アルンツによって考案されたものとなります。
これらはアイソタイプ(Isotype)と呼ばれるもので、もともとは児童教育の分野で、文字が読めない人たちのためのツールとして作成されました。
そのため、絵文字同士を繋ぐ・組み合わせることで意味を膨らませることができる、という特徴があります。
アイソタイプについてはこちらもご参考ください(海外サイトとなります)
2,オリンピックとピクトグラム
現在のようなピクトグラムが広まったのは、1964年の東京オリンピックがきっかけと言われています。
11人のデザイナーによって競技種目のピクトグラム20種類、シャワー等設備のピクトグラムが39種類作成されました。
当時の日本では外国人向けの案内標識が整備されていなかったため、海外からの来訪者に向けたもてなしの一環として考案されました。
これらのピクトグラムは、発起人でもあるデザイナーの勝見勝氏の「社会に還元すべき」という考えのもと、著作権が放棄され、全世界に広まっていきました。
また、オリンピックの度に各開催地で考案され続け、2021年の東京オリンピックでは33種目、50種類のピクトグラムが追加されました。
冒頭でご紹介したパフォーマンスは、こちらを表したものですね!
3,サインにおけるピクトグラム
さて、フジタで取り扱っているサインではJIS規格をはじめ、オリジナルのものなど、様々なピクトグラムを用いることができます。
2017年にはオリンピック開催を見据え、JIS規格の改訂が行われました。
より多様な人々に伝わるように改定されているピクトグラムですが、注意点もあります。
特にポイントとなるのは人によって受け取り方が異なる可能性があるということです。
例えば日本では「男子=青・女子=赤」が定着していますが、海外で同じように受けとられるとは限りません。
また、認知症を発症した方はピクトグラムの判別がつきにくい、とも言われています。
そのような場合は文字による補助説明など、臨機応変な対応が求められます。
4,まとめ
いかがでしたでしょうか。
「文字がないことによる誤解」には配慮しなければなりませんが、元々の「文字がなくても伝わる」ことを目的としたピクトグラムのアイディアは素晴らしいものです。
フジタでもJIS規格ピクトグラム・オリジナルピクトグラムを取り揃えております。
「こんな場所にはどんなピクトグラムを使うのだろう?」という疑問やご相談など、是非お気軽にお問い合わせくださいませ。