東京支店原稿担当の岸本です。
施設のバリアフリー化が進み、サイン工事の際に設置されることが増えてきている「点字案内板」。
弊社でも多くのご注文をいただいております。
その「点字案内板」にはJIS規格があり、数多くのルールがあることはご存知でしょうか。
過去、知恵袋でも数回触れさせていただいておりますので、ぜひ御覧ください。
弊社で一から製作させていただく場合には基本的にこれらのルールに則って製作しておりますが、
時折、止むを得ずルールから外れた点字案内板のご依頼をいただくこともございます。
点字案内板のルールは数多く、目の見える方にとっては
「どうしてそうしなければいけないの?」と思ってしまうような点もあるかもしれません。
ルールに沿うことの重要性を「自分が目が不自由な人の立場だったら?」という視点で考えてみましょう。
目次
- 点字案内板の素材・設置について
- 点字案内板のレイアウトについて
- まとめ
1.点字案内板の素材・設置について
目の不自由な方に優しい大きさ・高さ
建物の雰囲気や設置箇所によって、大きさや素材のご希望は多々あるかと思います。
大きさに関しましては、点字案内板は基本的にH600mm×W1000mm以内が推奨とされています。
設置につきましては触知範囲が地上から1400mm程度となることが推奨されております。
目の不自由な方は必要な情報が記載されている範囲も視覚で捉えることができません。
あまりにも大きな点字案内板は点字を触って読み取るだけでもかなり大変ですし、
手が届かないのでは読むこともできません。
推奨される大きさ、設置位置を守ることで、誰もに優しい点字案内板になります。
素材・加工についてはご相談ください
フジタで点字案内板が製作できる素材はアクリル、アルミ、木……と多岐に渡っています。
どの素材を使用する場合でも「枠をつける」または「角が尖らないように加工」いたします。
これは目の不自由な方が点字案内板に触れた時、尖った角で手を傷つけないようにするためです。
また、屋内でも高温になるような場所ではアルミ等での製作をお控えいただくこともあります。
目の不自由な方が安心して触れることができる点字案内板を製作することが大切です。
2.点字案内板のレイアウトについて
点字案内板の原稿作成時によくお問い合わせいただくことの一つに点字案内板のレイアウトがあり、
「上に平面図、下に凡例のレイアウトではいけないのか?」とご質問をいただくことがあります。
点字案内板は「左(または上)に凡例、右(または下)に平面図」というレイアウトが原則です。
見た目には上に平面図、下に凡例のレイアウトでも問題なさそうに見えますが、
ここは「目の不自由な方が点字を読む」という視点で考えてみます。
私たちは横書きになっている文字を通常左から右、上から下へ読んでいきますよね。
同じように目の不自由な方も、点字を読まれる際は左から右、上から下へ読んでいきます。
その時、レイアウトが逆になった点字案内板があるとどうでしょうか。
いきなり平面図に触れることになってしまい、平面図内の記号が何を表しているか、
といった情報が伝わりません。
また、こちらもよくお問い合わせいただくのが、印刷の文字と点字を合わせるために
「凡例の点字同士の間隔を広くしたり、自由に配置出来ないか」というご要望です。
点字の行間は多少広げることも出来ますが、広げすぎるのはNGです。
また、凡例は基本的に五十音順で並べるのが原則です。
凡例の内容が散らばっていると、それだけで読み取るのが大変になってしまいます。
推奨される間隔で規則正しく点字が並んでいることで、あちこちに手を伸ばすことなく
スムーズに情報を得ることが出来ます。
レイアウトに関しては視覚の要素が大きいためにどうしても見え方を優先で考えてしまいがちですが、
点字のルールに則ることで、点字案内板がきちんと機能するのです。
3.まとめ
いかがでしたでしょうか。
どうしても目が見える人の立場で考えてしまう点を、少しでも目が不自由な方の立場で考えるだけで
誰にとっても優しい点字案内板を製作することができます。
フジタでは点字のJIS規格に則った点字案内板を製作することができますので、
お気軽にご相談ください!