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フジタでは室名サインの印刷は主にUV印刷をしております。

製作側の少しコアな部分ですが、UV印刷データの製作方法はさまざまな試行錯誤を行ってきた集大成です。
より良い商品をお届けする為にフジタが行っている方法を、簡単にではありますがご紹介させていただきます。

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目次目次

  1. ゲージを使う
  2. 厚みを揃える
  3. 納期を考える
  4. まとめ

1, ゲージを使う

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UV印刷機はもともと1枚物の印刷物を製作する機械です。
フジタの商品は室名サインが多いので、1つ1つが200角程度とちいさいものが多いです。

10年ほど前に行っていたシルク印刷では職人の手で1枚1枚印刷して商品を仕上げていました。
ですがこれではとてもお客様の希望とする納期に間に合いませんでした。
今はUV印刷になり、一気に複数枚印刷することが可能となっています。
さらに多色の印刷が可能な上、速乾性のインクを使用することで、多くの枚数を短納期で出荷することが実現できるようになりました。

印刷機の最大印刷範囲は3100mm×2100mmです。
案内板などの大きなサインはそのまま印刷できますが、この大きな範囲で、数枚の小さなサインをズレのないように一気に印刷する方法はどうしているか・・?というと、
フジタでは室名サインを無駄なく均等に並べることができるオリジナルのゲージを製作し、使用しています。

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上図が印刷の指示書で、用紙に打ち出して印刷担当者に渡します。
印刷機に読み込む印刷データは、ゲージや印刷しない部分の色や線を消した状態をEPSデータにします。

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室名サインの主なサイズに合わせたゲージを用意し、サイズごとに使い分けています。
150角、200角、250角、250×80、300×90・・・など。
現時点で印刷ゲージは12種類ほどあります。
カラフルですが、実際のゲージは色が付いていません笑
印刷担当者がどのゲージを使って印刷するのか分かりやすくする為に、指示書上でカラフルな色を使い分けています。

印刷データは1ゲージを1つのEPSデータにします。
ですが1ゲージのデータと言っても、

・プライマーインク(表示板にインクを密着させる為の接着剤)
・白インク
・カラーインク

の3種類でもデータを分けています。
インクによって大きさを微妙に調整したり、インクをのせない部分がある為データを分けています。
印刷する場合も3段階に工程を行い、印刷をします。

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↑このような場合はEPSデータが3つ必要になります。

イラストレーターを使用し、ゲージに印刷データをひとつひとつはめ込んでいきます。
データで少しでも配置がずれていると、そのままの間違った位置に印刷されてしまうので少しのズレも許されません。
このデータのズレなどはシビアにチェックしています。

2, 厚みを揃える

1つのゲージにいれる商品は厚みを揃えるということが第一条件です。
印刷インクがでるヘッド部分は一定の高さでしか動かないので、1つのデータはすべて同じ厚みの商品で揃えています。
フジタの商品数はとても多く、厚みも様々なので商品の厚みごとに印刷データを分けて製作します。
同じ素材の商品でも平付型と突出型で取付金具が違う為、厚みが違うこともあるので、その場合も分けてデータを製作します。

【主な商品の厚み一覧】
21mm FW平付
18mm FW突出・スイング
15.5mm FT突出・スイング、PFT突出・スイング
15mm WAL突出・平付、MPW突出・平付
14mm GHP突出・平付
9mm GFM、GFN
8.5mm FTS平付
8mm FT平付、PFT平付
6mm WA、GF平付
5mm TW平付、IG、FA突出・平付、FK突出・平付、FI突出・平付、GA突出・平付、BT突出・平付
3.5mm FS
3mm TW突出、TWスイング、GF突出、FG突出、FG平付、AC
1mm FRA突出・平付、GH突出・平付、SP突出・平付・スイング
0.5mm FR階数表示、FR、FS、RSY、FTS突出
0.3mm CF突出・平付

よく出る商品だけでもこんなに厚みの種類があります。

その都度ご注文いただいた分の印刷データを製作するので、1つのゲージに入れることのできる商品数(同じ厚みの商品数)も時によっていろいろです。
ゲージいっぱいにサインが入っている場合やサイン1枚だけの場合もあります。
それらを印刷の効率なども配慮して印刷データを作成しています。

3, 納期を考える

印刷データを作る際に気をつける点はもうひとつあります。
それは「納期」です。
納期が長い別注商品の表示板と、在庫のある表示板を一緒にゲージにいれてしまうと、別注の表示板が手元にないため印刷することができない!といったことが起こる可能性があります。
ですので、なるべく納期の近い商品同士を一緒のゲージいれることも気をつけるポイントのひとつです。

4, まとめ

いかがでしたか?

今回はUVダイレクト印刷のデータ製作についてご紹介しました。

印刷データは表示がほぼフルオーダーですので、ただ単にゲージに入れ込むだけでなく、印刷担当者や梱包作業者へわかりやすいように指示書の表記を工夫することにもとても気を使っています。
大変な作業ではありますが、このような工夫がフジタの短納期出荷を支える作業のひとつでもあります。

今後もより良い商品を最短でお客様にお届けできるよう、努力と工夫を重ねてまいります。

 
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